引きこもり青年のある回想

その青年とお会いして4年ほどの月日が経ったある時

母親と近所を散歩した時の話をされた。

17年の引きこもりから抜け出た頃のこと。

高校1年から自分の部屋に引きこもり、

それまで全く外に出ていず、周囲に意識は向いていなかったから

その散歩の時、近所の風景は変わっていないのに

そこは、なぜか初めて見る風景のようだったと・・

ここは・・どこなの? そして、自分は今まで何をしていたのだろう?と

その彼の話を聞きながら、私には、何とも表現しようのない、

辛いのか悲しいのか、優しいのか愛おしいのかわからない感情に覆われた

その風景の中にいる彼が眼前に浮かんで見えて、

私は、彼の話を聞きながら、心の涙が滲んできていた

彼は、見事に社会復帰を果たした

自分の新たな目標に向かって、努力し

今まで自分は何をしていたのだろうとの後悔の念を抱きつつ

そのどこか無念な思いを、生かしたい思いを育てているように見える

頑張ってほしい! 自分を大事に、やり直しはきくのだから。

        (ご本人にお話を文章にする了解を得ています)

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